マフィンと猫と開店日和

マフィン屋店主の日々と周辺の記録

座敷わらしだったときの話

そう、出会いは突然に訪れるもので

マフィン屋になるずっと前、わたしは座敷わらしだったことを思い出したのです。

あ、待って、画面を閉じないで!

読めばわかります、読めば!

 

8年くらい前でしょうか、前に働いていたお店の店長に半ば強制的にブログを開設されて

開業するまでの色々を書けと、その名も座敷わらしのブログを始めることになり

初めて1人きりで旅をした島根や鳥取の話、初めてのレンタカー、アポ無し突撃窯元などなど…旅慣れていないわたしの珍道中や日常をつらつらと書いていました。

そんなブログにコメントをもらったことがきっかけで知り合った子がいて、彼女のブログもまた魅力的で

趣味でこぎん刺しをしていること、落語が好きなこと、乗馬を習っていてサラブレッドが大好きなこと、、、

きっと多分わたしより年下と思われるその子はkuwanomiさんといって、札幌で働いているお洒落な女の子でした。

ある時、札幌のカフェ・椿サロンでこぎん刺しの個展をすることを知って、仕事終わりに駆けつけ彼女の作品を初めて購入しました。

在店日ではなかったので会えず、相変わらずブログ上での交流。

いつしかお互いの環境や心の変化でブログ更新が滞り、2人ともブログをやめてしまい交流も途絶え…

わたしが最後に知っているのは、馬愛が募って札幌の仕事も住まいも手放し馬産地へ引っ越したこと。

 

そうして今年の9月。

縁あって知り合った千歳市内の草木染め作家イロリさんのお店に行ったとき

こぎん刺しの作品が置いてあって思わず手に取ると

「kuwanomi」

…ええ⁈⁈

も、もしかして!と鼻息荒く聞くと、イロリさんは千歳に来る前まで浦河に住んでいて

kuwanomiさんは浦河の牧場に嫁いでいて

お互い創作が好きなこともあって仲良くなったそうで

突然の再会に興奮前のめりなわたしは

「わ、わたし座敷わらしだったんですー」と何から説明したらいいかわからなくなる有様。

お互い本名も顔も知らずにいたので、座敷わらしとしか説明出来ず…

イロリさんがその場でkuwanomiさんに電話してくれて、座敷わらしさんて知ってる?

「…あー!知ってるよ、座敷わらしさん!えー!!」

「今ね、座敷わらしさん来てるんだよー」

座敷わらしが飛び交う謎タイム。。。

 

こうして奇跡的な再会を果たし、座敷わらしからマフィン屋になったこと、湖で暮らしていること。改めましてよろしくね、と交流が復活したのです。

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kuwanomiさんが作ったこぎんマスキングテープ。

早速お店で販売してます。

 

もう読むことは出来ないブログですが、帰って来れなかったらどうしようとか不安いっぱいで旅に出ては

言葉にならない美しい景色や

自分の足でたどり着く達成感や

結局は不安以上に満喫して帰って来ていたこの頃の話を

今読めたら面白かったかもなぁー。

当時はガラケーで、道に迷っては教えてもらって、良い時代でした。ホロリ。