あれは連休の真ん中の月曜日。
わたしは営業を終えてから、後半戦に向けて必要な買い出しや仕込みに追われていました。
買い物から店に戻ったのが20時過ぎ。
ラックやら食材やらをせっせと車から降ろしていたら
「あのぅ……スミマセン…この近くでホテルはありますか…?」
暗がりから、チャリを押しながら1人の青年が。
わたしはてっきり予約したホテルに辿り着けないだけだと思って話を聞くと
彼は北京から北海道に来た中国の青年で、新さっぽろで買ったと思われるママチャリにまたがり
かなりざっくりとした北海道地図を片手に
ゴールの東京を目指して、観光しつつ自転車旅行を楽しんでいるらしい。
ほほう。で、どこに予約したの?
「いえいえ!予約はありません。ホテルを探しています」
…平日とは言え連休の最中、市内と違いビジネスホテルはないこの支笏湖に。
この時間。移動手段チャリ。。。
ふつうは1枚だけのジョーカーを、一体何枚引くんだというくらい、引いている。
「あぁぁぁーー!」
⁈⁈
「…け、携帯の…電池が終わりました…」
…わたしはこんな八方塞がりな人を
目の当たりにしたのは初めてです!
幸運なことに支笏湖にはゲストハウスがあります。
ダメ元で電話すると、なんと奇跡的にキャンセルが出て、1人だけ泊まれるとのこと。
良かった!本当に良かったー!
2人で喜んだのも束の間、彼(ワンくん)が笑顔で
「明日は洞爺湖に行きます!」
と指差した地図は、美笛峠のルートでした。
ワンくん☆
冗談は、よしこちゃん☆
そんな彼から先日メールが来て、
無事に東京に着いたそうです☆
やり遂げましたね〜!
次なる目標は、東京で就職。
がんばれワンくん!
桐谷さん(月曜夜ふかし)になれる日も近い☆